九州へ…現実逃避の孤独旅 (part23)





 18時14分、終点の博多に着きました。
名残惜しく、客室乗務員に「道中、お気をつけて…」と挨拶され、今度は、「新幹線開業直前に来ます」といったりして…

787系に別れを告げ、新幹線ホームへ向かいました。いよいよ、最後となりました。
 ちょうど、ホームには、18時30分発の東京行きの最終「のぞみ」が入線してきました。
これは、500系です。ご覧のように、とても新幹線というか、なんというかすごいですよね。
ほかの新幹線と比べ、異彩を放っております。

この500系、最高速は、時速300km。日本で一番速い新幹線です。皆さんもこの300kmの世界を体験してみてはどうでしょうか?
 ご覧のように、ちゃんと500と書いてありますね。
このように大きく書いてあると、鉄道を知らない人でも、これは500なんだ。。。と思いますよね。

これに乗ると、名古屋には、21時40分過ぎに到着し、家に早く着くのですが、今回は、この500系は、パスです。
「のぞみ」と「ひかり・こだま」の料金は、違います。のぞみは、結構料金が高くなっておりますので、その理由からしてパスしたわけで…
でも、もう一つ理由があります。
 500系のぞみが発車して、しばらくしてから、わたくしの乗る新幹線が入線してきました。
こちら、700系の「ひかりレールスター」新大阪行きです。
こちらは、のぞみ料金ではなく、ひかり号の料金で、のぞみ号並のスピードが出る新幹線です。

こちらも外観がすごいですね。カモノハシを思わせるような先頭…
 こちらは、側面は、500系の500とは違い、「RAIL STAR(レールスター)」と書いてあります。こちらは、700系と覚えるのではなく、レールスターと覚えてもらいたいのでしょうね。
このように書いてあれば、レールスターだ、と分かりますね。

 車内に入ります。
わたくしは、先頭の8号車に乗りました。このレールスターは、8両編成と短いです。
手前に見えるのが、4人用の個室となっています。このレールスターにも簡易個室が4部屋あります。ここは、4人で談笑しても良いようなスペースです。
 早速、席に落ち着くと、19時になりました。
定刻通り発車しました。「さらば…、博多駅…」そんなのが脳裏に浮かんできました。

新幹線は、容赦なく、ATC信号に従い、時速285キロで、現実に連れて行かれます。
 小倉駅を出て、新関門トンネルに入りました。
「さよなら…、九州。」今度は、こんな言葉が出てしまいました。
関門トンネルに入っている最中に、駅弁を広げることに…
九州味めぐり弁当です。
 中身はご覧の通り、各県の名物品を盛り込んだ弁当となっております。
九州のハイライトにふさわしい駅弁です。

ゆっくりと味わいながら、本州に入った山口県の景色を眺めていました…
 小郡、広島と停車し、自由席は、立客であふれている…と車掌の車内放送がありました。
自由席はきっとすごいことになっているのでしょうね。指定席は、もちろん、ゆったりと落ち着いています。

このように見ていると、グリーン車と見間違いそうですが、これはれっきとした普通車の指定席です。
わたくしが高いのぞみ料金を払わずに、こちらにした理由がなんとなく分かりますよね?
 レールスターは、福山駅に着きました。
ちょうど中間点ですね。指定席でも、入れ替わりが激しかったですね。
やはり、山陽新幹線が誇る車両です。人気はすごいです。
 ボーっと景色を眺めていると、21時45分、終点の新大阪駅に到着しました。

ここから東海道新幹線区間に入りますので、レールスターはここまでです。実際のところ、名古屋まで来てくれれば…といつも思っております。
 新大阪駅からは、100系「こだま」に乗車です。
これは、最終の名古屋行きです。

この100系新幹線。国鉄末期時代では象徴的でしたが、今は、もう東海道区間では消える運命にあります。

21時58分、名古屋行きの100系こだまは定刻どおり発車しました。
さすがに先ほどのレールスターに比べると、加速やスピードは遅いです。
 この「こだま」、普通車はすべて自由席なので、全くいない、一番前の16号車に座ることにしました。
もちろん数人しかいませんでした。そのため、前の座席を転換して、ワンボックスにして過ごしました。

車内を見ても、それほど陳腐化していないのがお分かりになるかと思いますが、もうすぐ、消えてしまうのです…

京都駅で、最終の名古屋行きの700系「のぞみ」を先に行かせ、本当の最終列車となって、京都を離れました。
 23時08分、終点名古屋駅に着きました。
降りる人が結構いたのには、驚きましたが、まだそれほどではない、と言った感じですね。やはり夜も遅く、最終ですので…

この駅に降り立ったとき、もう現実なんだ…と言う実感がしてきました。

そして、一気に疲れが出ました。それは、帰りの名鉄電車が猛烈に混雑していたので…

これで、孤独旅も終了しました。


 長い、旅行記を読んでくれた皆様…
本当にありがとうございました。かなりの長編で読むのも大変だったのではないでしょうか?


 今回は、普通乗車券を名古屋から鹿児島まで購入しました。そして、九州グリーン豪遊券や2枚きっぷを使い、さまざまな切符を使った旅となりました。また日本最西端の駅や、日本で一番西を走る第三セクター鉄道の乗車。気になった駅への途中下車など、今までより充実した内容の孤独旅が出来ました。

 九州は、鉄道に乗りまわすことも十分に観光になるということがこの旅行記で分かったのではないでしょうか?
色々な特急列車の車両群を見て、必ず、わたくしはそう思ってしまいます。
皆さんもぜひ、九州へ行くときは、これらの特急車両に乗って、旅することをお勧めいたします。きっと忘れられない思い出になると思います。


 それから、ネット喫茶に行ったり、携帯で連絡をとったりしていたので、完璧に孤独ではない…と言うことも実感しました。
ネットや携帯でわたくしに付き合ってくれた皆さん。正直言って、嬉しかったです。孤独感を癒された…と言った感じです。やはり、伝える人がいると言うのは、本当に良いものですね。
 また、一人で旅立つというのは、気を使うことも無く、自由に自分の行きたいところにいけるのが良いです。また、その地方での"出会い"もあり、道中を楽しませてくれます。

この旅で精神的にも落ち着き、次へのステップを見つけることが出来ました。やはり、旅をすることによって、何かを掴み、見つけることが出来るのだ、と思いました。

 そう、新しい自分に…。




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